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コラム

住宅性能について(Q値編)
2025.09.17 住ごこち 家の性能

Q値(熱損失係数)とは

Q値は「家の中の熱がどれくらい外に逃げにくいかを数値で示したものです。
単位は W/㎡・K
具体的には、建物の「外壁」「屋根(天井)」「床」などから失われる熱と、
換気によって失われる熱を合計し、延べ床面積で割ることで算出されます。

これは「室内と屋外の温度差を1℃とした場合、1時間あたりどの程度の熱が外へ出ていくか」を表しています。

数値が小さいほど、住宅の断熱性能が高いことを意味しており、

Q値の数値が大きいほど熱は逃げやすく、
逆に小さいほど断熱性能が高く、冷暖房の効率も良くなり、
省エネ性の高い住まいであることを意味します。

ここで重要なのは換気で逃げていく熱も計算に入れるという事。

どれだけ断熱材を入れて理論上、性能を上げても、換気がだめならQ値は悪いまま。

それなりの性能のはずなのに快適じゃない家のほとんどがQ値は悪いままです。


 Q値の目安(6地域の場合のイメージ)

※Q値は床面積によって変わるので明かうまでも目安ですが、実際この辺りの数値になる事が多いです。

 

  • Q値 2.7 … 旧省エネ基準(等級4相当・最低限の断熱性能)

  • Q値 1.9 … 高断熱住宅(等級5相当・ZEHレベルに近い)

  • Q値 1.6 … 等級6(HEAT20 G2相当・快適性が高い)

  • Q値 1.0前後 … 等級7(HEAT20 G3相当・国内トップクラスの断熱性能)


UA値との違い

  • Q値:住宅全体の断熱性能を「床面積」で割った値。換気での熱損失も考慮

  • UA値:外壁・屋根・窓などの「外皮平均熱貫流率」
    👉 現在の省エネ基準・等級判定はUA値を採用していますが、
    Q値は「家全体の性能を直感的に表す指標」として今も使われます。


 Q値とUA値の目安(6地域の場合)

断熱等級 基準・名称 UA値(W/㎡K) Q値の目安(W/㎡K) 性能イメージ
等級7 HEAT20 G3 0.26以下 約1.0前後 国内最高水準。夏冬とも快適で光熱費も最小限
等級6 HEAT20 G2 0.46以下 約1.6前後 高断熱・高性能住宅。冷暖房費も大幅削減
等級5 ZEH基準 0.60以下 約1.9前後 ZEH水準。快適性と省エネを両立
等級4 省エネ基準(H25) 0.87以下 約2.7前後 最低限の省エネ性能。旧基準住宅より改善
等級3 (旧基準相当) 1.54以下 断熱性能は十分でない
等級2 (旧基準相当) 1.67以下 快適性・省エネ性は低い
等級1 (旧基準相当) 2.70以下 断熱性能は非常に低い

まとめ

  • Q値・UA値ともに数値が小さいほど高性能

  • Q値1.0以下 → 世界水準に近い超高断熱住宅

  • 光熱費削減・快適性・健康性 に直結する重要な指標

  • 家の大きさに応じて数値が変わるので、エアコンの容量の算定の際に重要な数値になります。
  • UA値が高ければ快適かというとそういうわけではないので注意が必要