プランサーバー物語 高気密・高断熱への挑戦

高性能住宅を建てるため

高性能住宅を建てると決めた当時、昭和の終わりごろのことです。

50ミリ、10kg/㎡の袋入りグラスウールが主流だった時代に、100ミリ厚のグラスウールに変えることから始めました。

結果は・・・それほど暖かくならない!

理由はわかりませんでした。

東京リビングショーに高気密住宅が展示されるらしいことを、建材屋からもらったパンフレットで知って、早速駆けつけました。

北海道の住宅メーカーの出品でした。

そこの技術屋らしき人と話をさせてもらうと「在来工法では無理」のひと言でした。

2×4工法ならできて在来は無理、の理由すらハッキリはわからない。

当時広まっていた2×4住宅が暖かいことは知っていたが、なぜ暖かいかは知りませんでした。

ただ、今のままでは隙間が多すぎてダメだということと、見える隙間をつぶしたくらいではダメだということがわかりました。

当時は猛烈な円高、前出の鎌田紀彦先生に教えを請うすべも無いが、それでもカナダには行くことができました。

R2000を見て来いとばかりに、サテライトホームアカデミーを利用して一級建築士と大工とが研修にとカナダへ飛びました。

そこで見聞きしたことと、バンクーバー大学で買ってきた英文の専門書、これだけが頼りの再スタートでした。

「べーパーバリアーって何?」といった今では笑い話のような20年以上前のスタートです。

在来では乾燥した構造材が入手できず、経年変化で隙間が増えて、性能が落ちることもわかって来ました。

それでも今さら2×4工法を…との思いと、当時解禁になったばかりの木造3階建てが簡単にできる大断面構造用集成材を使ったポスト&ビーム工法を導入しました。

最初の1棟は高気密と言える自信も無く、「3階建て」を売りにして建築しました。

つくりは2×4工法に似ていました。

その建物で初めてお施主さんから「暖かい」との評価をいただいたのです。

それは気流止めが自動的にできていて、在来のように壁やグラスウールの中を空気が流れることが無かったから、と後でわかりましたが、当時はその家がなぜ暖かいか説明できなかったのです。

在来工法では暖かくならないのに、なぜこの工法では暖かいのかよくわかりませんでした。

当時の常識は「壁の中を空気が流れないと家が腐る」といった夏型住宅の常識でした。

夏型住宅をアルミサッシで中途半端に密閉してその中でストーブをガンガン焚くのですから、壁の中はカビだらけになり、カビを餌にしてダニが繁殖して死骸や糞が充満した家で、体力の弱い人から喘息になる。

実際に増改築をしていると、カビ臭い家ではその家の子どもさんが喘息ということがよくありました。

そんなつくりが当たり前で国が「シックハウス対策」を義務化したのは、それからずーっと後の話です。

外壁に湿気を逃す通気層をつくることすら受け入れられず、「当時の常識」との戦いの連続でした。

勉強すればするほど、今までの常識がおかしいことに気がつくのですが、社員ですら「何でそんなことするのだ」と疑問の目で見る始末。

世間の言葉は「このあたりは暖かいからそんなものいらない」「そんな窒息死するような家はダメだ」「家は夏向きがいい」受注競争になると、競合他社から聞こえてくる言葉はいつも同じです。

家を建てる方のほとんどは、初めて家を購入される方です。

坪単価いくら?とか大手のハウスメーカーだから安心、とかいったことでしかなかなか判断していただけません。

豪華なシステムキッチンや豪華な内装にはお金を払っても、目に見えない「住みごこち」にお金を払う人は残念ながらほとんどいらっしゃいません。

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