高性能住宅をつくるための第二の実験住宅
高性能住宅も、ある一定のレベルにまで達しましたが、もっと性能を上げることができるはず、との思いもありました。
福山市沖野上町に新しい営業所をつくるのを機会に、より高性能な住宅を計画しました。
新事務所は平成8年につくられた2度目の実験住宅です。
サッシは輸入の北米仕様、アンダーセンの木製サッシ、ガラスはペアーのアルゴンガス入りのものを使用しました。
外側は断熱性能の優れた透湿抵抗の低いダイケンのシージングボードで気密をとりました。
Q値が1.58、C値は当時まだこの地域に気密測定をしてくれる業者が無くて、同類の最近の家からの推定ですが2.0以下です。
C値・・・隙間相当面積、家全体にある隙間面積を延べ床面積で割ったもので、この数値が小さいほど気密性が高い。
Q値・・・熱損失係数、室内外の温度差が1℃の時、家全体から1時間に床面積1㎡あたりに逃げ出す熱量のことを指す。
小さいほど断熱性能が高い。
次世代省エネルギー基準 平成11年 (広島県 Ⅳ地域)
C値=5.0c㎡/㎡ Q値=2.7W/㎡k
約50坪のこの事務所で使用しているエアコンは、1階と2階のを冷房するのに家庭用の2.2kwの6畳用エアコン2台で間に合います。
連休で休んだ後などには、部屋が暖まっているため3台使用することもありますが、常時2台か1台です。
木造3階建ての見本のためにつくられ倉庫になっている3階を除いて全室ほとんど温度差がありません。
いつも春のように快適です。
高性能住宅は、冷暖房費が安いこと以上に毎日を「快適に生活できること」のほうが、より魅力的です。
一度でも暮らした人は他の家には住めないと言います。
高性能住宅は冬暖かいだけでなく、夏も涼しいのです。
クーラーの風邪が直接当たる普通の家の涼しさではなく、秋の気候に似た爽やかな涼しさです。
今となっては、私にとってこの家も旧式な性能ですが、まだこの地域では最先端のはず。
希望されるならいつでも体感できます。