これからの高性能住宅
平成16年に新木造住宅技術研究協議会、通称“新住協(しんじゅうきょう)”のホームページを見つけました。
あの鎌田紀彦教授の主催するNPO法人のHPです。
17年ぶりの再会のような気がしました。
私をとりこにした、あの高気密・高断熱住宅を考えた方です。
即座に入会手続きをしました。
入会と同時に新在来木造工法マニュアルが送られてきました。
我々が手探りで造ってきた高気密・高断熱住宅は間違いでないことが確認できました。
経験的に知っていたことも理論的に理解できたと同時に、15年~20年前にこの本が手に入ればこんなに苦労することは無かったのに、と恨めしくも思えました。
長い回り道だったような気がします。
そしてこの手の本が簡単に手に入るということは、我々の技術的優位はすぐの追いつかれることを意味しています。
京都で鎌田教授の講演会があり参加した。
我々がすでに知っている初歩的な講義で、新たに学ぶべきことはほとんど無かったのですが、その講演会の中で「夏に暑い高気密」の話が出てきた。
思い当たるところもあり、特に興味深く聞かせてもらった。
「Q1(キューワン)プロジェクト」の話も興味を持った。
翌年に長野、その次の年は帯広での新住協の総会に出席した。
その地域で熱烈に高気密住宅を造っている皆さんと親しく話をすることが出来た。
寒い地域には思いを込めて高性能住宅を造っている同志がたくさんいることが嬉しかった。
北海道ではたくさんの「Q1住宅」を見てまわり、当地の会員の皆さんの、さまざまな知恵を盛り込んだ多くの住宅を惜しげもなく見せていただいた。
新しい家造りに確信が持てました。
わが地域での冬型住宅は北海道の技術で120%間に合う!
瀬戸内地域でQ1住宅を造ればおそらく無暖房住宅もできる!
ならばわが社は「夏型Q1住宅」を造ろう!
いつかあの親切な仲間たちに自慢できる、夏型Q1住宅を造ろう!
冬に暖かい住宅は今の技術で十分に出来る自信がある。
夏に晴天の続く猛烈に暑いわが瀬戸内沿岸に適した住宅造りこそが、地域に根ざすわが社の使命ではないだろうか?
平成19年5月、北海道での新住協の総会から帰り、「夏型Q1ゼロエネルギー実験住宅プロジェクト」を立ち上げる、と宣言した!
種は蒔いておくが、育てるのはわが社の若き社員たちであって欲しい。
20年後にはゼロエネルギー住宅は当たり前になっている気がする。
新生プランサーバーの「プロジェクトQ」の始まりである!
夏型Q1住宅の顛末気は、また日を改めて書きたい。